疎水性止水剤「ハイドログラウトA」は加水反応型の一液発泡ウレタン系注入材です。
特徴
湿気や水とよく反応し、独立発泡型の半硬質固結体を形成し、優れた止水効果を発揮します。一液型疎水性タイプのため、注入作業性がよく、コンクリート等によるアルカリ劣化が少なく耐久性が優れています。また有害な特定化学物質、重金属類を一切含有せず無溶剤系であるため、安全性に優れています。
- 防水・止水の確実性
- ハイドログラウトAの膨張圧により微細な隙間まで圧入ができるため止水効果が抜群です。
- 効果の長期持続性
- ハイドログラウトAは耐久性に優れ、効果が長時間持続します。
- 耐久性
- ハイドログラウトAは疎水性であり、固結体は60℃アルカリ浸漬(pH13)で膨潤せず安定です。
使用方法
容器開封後、ハイドログラウトAとハイドログラウト90を桶などに移し、全体が均一になるように三枚羽根攪拌機(300~600rpm)にて混合してください。撹拌時間の目安は3分です。
- はかり、樽、桶、バケツ、低速攪拌機
- US希釈剤、メチクロ、トルオール、キシロール
効果促進触媒量と硬化時間の関係
製品名 | 夏季 (20~30℃) |
冬季 (5~10℃) |
---|---|---|
ハイドログラウトA | 18kg | 18kg |
ハイドログラウト90(※2) | 0.4kg | 0.8kg |
硬化時間(※1) | 1~3分 | 2~4分 |
ハイドログラウトA | 100g |
---|---|
ハイドログラウト90(※2) | 変動 |
水 | 10g |
- ※1 注入部の水量、水温により硬化時間は変動します。
- ※2 硬化促進触媒(ハイドログラウト90)の配合量は注入
場所により調整可能ですが、必ず配合してください。
表は、あくまでも一般例です。ハイドログラウト90の配合量は2~5%の範囲で 適宜調整してください。
取扱いおよび保管上の注意事項
- ハイドログラウトAは、水との反応硬化時に炭酸ガスが発生し、過大な発泡圧や突沸が生じる場合がありますので、十分注意してください。
ハイドログラウトAは、MDI系無溶剤型で安全性に優れた注入材ですが、直接眼や皮膚に触れると刺激や炎症を起こします。また触媒のハイドログラウト90は、有機アミン化合物を含有しており、手で直接触れると腐食され、炎症を起こしますので、これらの取扱いに際しては注意事項を厳守してください。
施工上の注意事項
- ・ハイドログラウトAは必ずハイドログラウト90を配合してご使用ください。
- ・本製品は、可燃物であり、施工時には周辺では火気厳禁としてください。
データ
一般物性
特性/製品名 | ハイドログラウトA | ハイドログラウト90 |
---|---|---|
入目 | 18kg | 0.8kg |
容器 | 18kg缶 | 1kg缶 |
主成分 | イゾシアネート類 | アミン類 |
外観 | 褐色液体 | 無色液体 |
粘度 (mPa-s)(23℃) |
100~1,000 | 100以下 |
比重 | 1.0~1.2 | 0.7~1.0 |
硬化物比重 | 発泡倍率で変化 | |
固形分 | 99%以上 | 99%以上 |
消防法危険物 | 第4類第4石油類(非水溶性) | |
有機溶剤種別 | – | – |
季節区分 | 通年 | |
配合比 | 現場環境により変動します |
接着性
接着試験(建研式)に使用した材料の配合と試験結果を示します。
製品名 | 配合割合 |
---|---|
ハイドログラウトA | 100g |
ハイドログラウト90 | 2.5g |
水 | 10g |
被着体 | 接着強度(N/mm²) | 破壊状況 |
---|---|---|
ISOモルタル板(乾燥) | 1.41 | 材料の凝集破壊 |
ISOモルタル板(湿潤) | 0.73 | 材料/下地の界面剥離 |
※ISOモルタル板を水中に24時間浸漬したものである。
耐アルカリ試験
耐アルカリ試験に使用した材料の配合と試験結果を示します。
- ・試験体は、約4倍発泡させた材料を試験体とした。
- ・試験項目は、重量測定、圧縮強度(5%歪)測定を行った。
- ・圧縮強度は、579.2KPa(5%歪において)です。
- ・60℃飽和セメント水に試験体を浸漬し、経時で評価した。
- ・室内作成後、23℃で7日間養生したものをブランクとした。
製品名 | 配合割合 |
---|---|
ハイドログラウトA | 100g |
ハイドログラウト90 | 2.5g |
水 | 10g |
浸出試験報告書
ハイドログラウトAは、別紙の公的機関である財団法人食品分析センターが実施した試験報告書のとおり、水道施設の技術的基準を定める省令(平成12年厚生省令第15号)第1条第17号ハの規定に基づく、資機材等の材質に関する試験(平成12年厚生省告示45号)による進出試験を実施しました。結果、水道施設において使用することは、まったく問題ありません。