親水性止水剤「ハイドログラウトL」は加水反応型の一液親水性ウレタン系注入材です。
大量の水を一時的に止めたいときに水と一緒に注入することで効果を得られます。
特徴
水と任意の割合で溶解し、ゴム弾性ゲルを形成します。一液型親水性タイプのため、注入作業が良く、発泡や界面活性作用により、地盤などの隙間・クラック・空隙に良く浸透し、土粒子などと強固に接着します。そのため、優れたシール・止水・及び安定化効果が得られます。また、無溶剤系ですので、安全性に優れています。
- 防水・止水の確実性
- ハイドログラウトLの優れた保水力により大量の流水をゴム弾性ゲル化するため止水効果が抜群です。
- 優れた安定化効果
- ハイドログラウトLの優れた浸透力と接着力により、土粒子等と強固に接着し、シール・安定化効果が抜群です。
使用方法
容器開封後、原液または、水希釈にて注入してください。
注入部の水量、水温により硬化時間は変動します。
注入方法 |
機械圧送方式 |
施工方法 |
注入ポンプによる機械施工(※1) |
標準配合 |
ハイドログラウトL 10~30:水 90~70 |
- ※1 施工機械の詳細は別途お問い合わせお願い致します。
溶剤による希釈は、絶対にしないでください。
希釈率と硬化時間の関係
水希釈割合
水希釈割合例 |
標準配合 |
ハイドログラウトL |
10~30 |
水 |
90~70 |
硬化時間の目安 同量の水希釈で水温が異なる場合
項目/水温 |
5~15℃ |
15~25℃ |
ハイドログラウトL |
18kg |
18kg |
水 |
72kg |
72kg |
硬化時間(※2) |
85~65秒 |
65~55秒 |
硬化時間の目安 水温が同じで水希釈量が異なる場合
項目/水温 |
23℃ |
23℃ |
23℃ |
ハイドログラウトL |
18kg |
18kg |
18kg |
水 |
72kg |
54kg |
42kg |
硬化時間(※2) |
55秒 |
50秒 |
46秒 |
- ※2 注入部の水量、水温により硬化時間は変動します。
データ
一般物性
特性/製品名 |
ハイドログラウトL |
入目 |
18kg |
容器 |
18kg缶 |
主成分 |
イゾシアネート化合物 |
外観 |
褐色液体 |
粘度
(mPa-s)(23℃) |
2,100 |
比重 |
1.1 |
硬化物比重 |
発泡倍率で変化 |
固形分 |
99%以上 |
消防法危険物 |
第4類第3石油類(非水溶性) |
有機溶剤種別 |
– |
季節区分 |
通年 |
配合比 |
現場環境により変動します。 |
特徴1
- ・ハイドログラウトLは、大量の水を固体あるいはゲル化させる事ができます。
ハイドログラウトL : 水 = 1:9(10倍希釈)まで固体化できます。
ハイドログラウトL : 水 = 1:10 以上でゴム弾性ゲルになります。
- ・含水量が性能の是非に直結する訳ではなく、施工に関して必要なのは、硬化速度であり、
水を早く止める事です。
- ・疎水型のハイドログラウトAとは異なり、親水型のハイドログラウトLは半永久的な
止水効果はありません。(一時的な止水性能が重視されるのです。)
特徴2
- ・地盤などのクラック、空隙に良く浸透し土粒子等と強固に接着するため、
優れた止水・シール・安定化効果が得られます。
- ・土粒子の安定化効果は一時的なもので、地盤強化等の用途には使用できません。
取扱い及び保管上の注意事項
- ・ハイドログラウトLは、樹脂原液・高濃度で注入する事は十分に注意してください。
樹脂原液・高濃度での注入によって出来た硬化物は、水との接触で吸水膨潤し、過大な膨潤圧
が生じて構造物などを破損します。
- ・ハイドログラウトLは、無溶剤型で安全性に優れた注入剤ですが、直接眼や皮膚に触れる
と刺激や炎症を起こします。これらの取扱いに際しては注意事項を厳守してください。
施工上の注意事項
- ・ハイドログラウトLと水で形成されたゴム弾性ゲルをアルカリ性の強い水に長時間浸漬させ
て置くと、アルカリ性の水によりゲル化が崩れてくる事がありますので、止水完了後に漏水部分
をエポキシ樹脂やモルタル又はシーリング材等で防水処理を施してください。
- ・ハイドログラウトLは、可燃物であり、施工時には周辺では火気厳禁としてください。